私は3歳ころから、おもちゃのピアノで正確に童謡のメロディを弾いていたそうです。
それを見た両親が、足踏みではなく電気で動くオルガンを買ってくれました。
6歳になって、当時父が勤めていた会社の社長の娘さんがエレクトーンとピアノの講師を始めたので、私もエレクトーンを教えていただくことになりました。
最初、エレクトーンとピアノの両方を触らせていただき「どっちがいい?」と先生に言われて、私は即座に「オーケストラの指揮者のような気分を味わえるエレクトーンがいい」と答えたことを覚えています。
先生は、楽譜が見えない私のために、音符を切り抜いて触らせて下さったり、演奏を録音して下さいました。幼いながらも先生の熱意を感じ、私も一生懸命練習しました。
当時私たちはアパート住まいでしたが、私のエレクトーンの音を聴きつけて、周囲の同年代の健常者の友達が遊びに来てくれるようになりました。 最初は友達のリクエストに答えて色々エレクトーンで弾いているだけでしたが、そのうちプロ野球を名古屋球場(当時)まで見に連れて行ってもらって私独りのために実況中継してくれたり、一緒にハムの免許を取ったりというつき合いが始まりました。
パソコンも、健常者の友達と一緒に勉強してきました。友達にマニュアルを読んでもらい、その内容を私がかみ砕いて説明するという持ちつ持たれつで勉強し、今に至っています。
エレクトーンを習っていなければ、私も今のように積極的にはなれなかったかもしれません。 エレクトーンを習わせてくれた両親や、私につき合ってくれている健常者の友人たち、教えて下さった先生方には感謝してもしきれません。
残念ながら2004年以降に発売されたエレクトーンはタッチパネル操作になってしまい、私たち視覚障害者には使えなくなってしまいました。画面の上にボタンの位置だけ切り抜いた厚紙を置いて操作できないか、Windowsのショートカットキーのような操作はできないか、パソコンからの遠隔操作で音やリズムを作ったりできないかなど、開発部隊にいらっしゃったことがある師匠を通して考えていただいたこともありましたが、その師匠が急逝され、望み薄になってしまいました。
エレクトーンのアレンジの勉強にと思い、ジャズピアノを習い始めていましたので、今後はピアノを中心に楽しんで行こうと考えています。
エレクトーンは会場に運んでもらわないと弾くことができませんが、ピアノは最初から置いてあるところが沢山あります。
ジャズが大好きな患者さんや友人とライヴハウスで過ごすひと時が、私にとってのストレス解消に最もよく効くようです。
そのうち、酔っぱらった勢いで飛び入り演奏なんかさせてもらえるくらいにジャズピアノも上達したいなあと思っているのですが・・・・・。
それから、私は今はCDなどからの耳コピーでアレンジして演奏することが多いのですが、私も楽器屋さんで好きな曲の楽譜を買ってきて気楽に演奏できるといいなあと思います。
Windows上で五線譜に音符や記号を貼りつけて行くと、点字楽譜を作成できるB−Scoreというソフトが開発されています。まだ私が満足できるソフトではありませんが(なんて書くととっても失礼ですが)、このソフトが発展すると、視力障害者も五線譜を書いたり、シーケンサーとして使えるようになると思い、とっても期待しているのです。そして、ジャズのセッションなども自在にできるようになるのではと・・・・・。
音楽に詳しい方からのアドバイスで、B−Scoreが使いやすく高機能に成長してくれることを望んでいます。
トップページで流れている私の演奏です。
プラハへ行った記念に、モルダウをジャズピアノ風にアレンジしてみました。
再生可能な形式を選んで聴いてください。
ピアノソロ演奏(MIDI形式) ピアノソロ(MP3形式 1.5MB)