平成18年度 身体障害者児実態調査 から


身体障害児 93,100人(内、視覚障害4,900人)


障害児数のグラフ  平成18年7月1日現在、全国の18歳未満の在宅身体障害児数は、93,100人と推計されています。前回(平成13年6月)調査の推計数と比較すると、11,200人(13.7%)増加しています。
 障害の種類別にみると、視覚障害が4,900人、聴覚・言語障害が 17,300人、肢体不自由が50,100人、内部障害が20,700人であり、肢体不自由児が身体障害児総数の約 6 割を占めています。
 身体障害の程度についてみると、1・2級の重度の障害を有する身体障害児は 61,300 人で、身体障害児総数の 65.8%を占めています。

障害別のグラフ  障害の種類別に1・2級をみると、視覚障害では3,700人(75.5%)、聴覚・言語障害では7,100人(41.0%)、肢体不自由では 39,900 人(79.7%)、内部障害では 10,500人(50.7%)となっています。

身体障害者 3,483,000人(内、視覚障害者310,000人)


 平成18年7月1日現在、全国の身体障害者数(在宅)は、3,483,000人と推計されています。前回調査(平成13年6月)の3,245,000人と比較すると、238,000人(7.3%)増加しています。
 このうち63.5%が65歳以上であり、介護保険サービスを利用する者が多いと考えられます。また、平成18年9月の身体障害者ホームヘルプの利用実人員は68,403人、身体障害者デイサービスの利用実人員は26,352人となっています(平成18年社会福祉施設等調査)。
 障害の種類別にみると、視覚障害が 310,000人、聴覚・言語障害が 343,000人、肢体不自由が1,760人、内部障害が1,070,000人であり、肢体不自由者が身体障害者総数の約 5 割を占めています。
 身体障害の程度についてみると、1・2級の重い障害を有する身体障害者は 1,675,000人で、身体障害者総数の48.1%を占め、前回調査の 45.1%に比べて増加しています。
 障害の種類別に1・2級をみると、視覚障害では192,000人(62.0%)、聴覚・言語障害では112,000人(32.7%)、 肢体不自由では761,000人(43.2%)、内部障害では610,000人(57.0%)となっています。


高齢化、重度化、重複化


 年齢階級別に身体障害者数の推移を見ると、60 歳以上の増加が顕著であり、前回に比べ 238,000人(10.1%)増加しています。視覚障害者についても、70歳以上が49.4%と半数を占め、高齢化が顕著です。
 また、視覚障害と肢体不自由の重複障害者が32,000人(10.3%)、視覚障害と聴覚・言語障害は22,000人(7.1%)、視覚障害と内部障害は15,000人(4.8%)います。


点字のできる障害者の状況


  前回平成13年の調査では、「点字が出来る」と答えた人は32,000人でしたが、今回の調査では48,000人と増加しています。
 「点字が出来る」48,000人のうち、身体障害者手帳1級は34,000人、2級は13,000人でした。
 3級以上の視覚障害者は、日常生活の中で点字を必要としない人が殆どと思われます。
視覚障害者の中でも「文字離れ」が進んでいましたが、IT化によりパソコンによりスピーディーに点訳がされるようになったこと、音声により情報を入手できない視聴覚二重障害者が増加していることなどにより、点字を必要とする人が増えているようです。


視覚障害者の情報の入手方法(複数回答)


テレビ、一般放送          66.0%
家族・友人                55.7%
ラジオ                    49.3%
一般図書・新聞・雑誌      26.9%
録音・点字図書            14.8%
自治体広報                13.7%
携帯電話                   7.1%
ホームページ・電子メール   6.6%
ファックス                 2.4%
その他                     5.8%



外出の状況

外出状況のグラフ


ほぼ毎日                  29.3%
週2・3回                 29.5%
月2・3回                21.9%
年に数回                  10.6%
外出なし                   6.3%



外出時の介助について


一部介助                  17.0%
全部介助                  19.3%

 外出するうえで、または外出しようとするうえで困ることがある者は
・乗り物の利用が不便
・人の混雑や車に危険を感じる
・公共の場所を利用しにくい
※「月2〜3回、年に数回」外出する人と、「一部介助、全介助」の六割が一致します。これらの人たちや、「外出なし」の人たちを支援する役割を、ガイドヘルパーさんには担っていただきたいと思います。


視覚障害児・者のニーズ
視覚障害児のニーズ


1.児童手当など経済的援助の充実                43.8%
2.身近なところで相談、指導を行う事業の充実    31.3%
3.仕事に就くことを容易にするための制度の充実  31.3%
3.障害児が暮らしやすい住宅の整備              31.3%
6.医療費の負担軽減                            25.0%
6.パソコン教室の充実                          25.0%

視覚障害者のニーズ


1.年金や手当など所得保障の充実                                    43.3%
2.医療費の負担軽減                                                36.4%
3.道路、交通機関、公共建築物等の利用を容易にするための施策の充実  17.9%
4.障害者向け公営住宅や福祉ホーム等の障害者が暮らしやすい住宅の整備 17.7%
5.災害時・緊急時の情報提供・通信体制・ 避難誘導対策の充実      16.4%


※ 視覚障害児は社会参加、職業的自立を望む声が多く、、視覚障害者は経済的、生活環境の充実に対するニーズが高くなっています。


就業状況


就業状況のグラフ  視覚障害者の中で就業しているのは81,000人で、あんま、マッサージ、はり、きゅうが24,000人(29.4%)を占めています。
 別の調査になりますが、2006年末の保健衛生行政業務報告によれば、-あんまマッサージ指圧師の晴眼者に対する視覚障害者の割合は25.2%、はり師は18.4%、きゅう師は17.9%という低い値になっています。さらに愛知県内の構成比は、あんまマッサージ指圧師は17.7%、はり師は12.8%、きゅう師は12.4%と全国平均よりも低い数字になっています。

 病院では、理学療法士に比べてマッサージ師の保険点数が低いということで、求人も少なくなっています。視覚障害者に適した新職業として、電話交換手がありましたが、企業のダイヤルイン化のために、リストラも増えているようです。コンピュータプログラマーも、画面がグラフィカルになって、企業の中で晴眼者と同じシステムを操作するのが難しくなってきています。
 今注目されている職業として、企業の中で社員の健康管理をする「ヘルスキーパー」があります。副作用が少なく即効性がある鍼灸マッサージを福利厚生として取り入れることにより、健康保険の医療費抑制につながっているようです。しかし、危ない工場の中を通らないと診療所にたどり着けないなどの事情から、弱視しか雇えない企業もあるようです。
 この不況では、障害者を雇うために企業内を整備するよりは、軽度の障害者を雇用するとか、罰金を払ってでも雇わないほうがいいということのようです。


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