視覚障害者といってもすべての人が全盲というわけではありません。 視覚障害者の8割ほどが中途失明者と言われています。 生まれたときから、もしくは3歳ぐらいまでに失明した人を先天盲と言います。この人たちは、視覚の経験を持ち続けることはできないと言われています。 しかし、生まれつき視力がない人は、物を見たことがないのですから、それなりに生活できてしまいます。 ひょっとすると、中途失明の人のほうが、生活環境が変わるため大変かもしれません。 目が見えにくいという不便を感じている人は身の周りにたくさんいると思います。 眼鏡をかけなければ、ぼやけて見えてしまう近視の人は皆さんの周囲にも多いのではないでしょうか。 矯正視力がおおよそ0.5以下に低下すると、視覚に不自由を感じます。 視野が正常であれば「読み」に関する視力は0.5以下で不自由を感じ始めますが、0.1以上あれば動作にはほとんど不便を感じませんし、0.05くらいあれば2〜3m以内のものは判断が可能です。 視力0.01でも道路の白線は認識できます。文字の大きさを問わない「書き」に関してはマジックなどで濃く太い文字を書けば0.02くらいの視力でも認識可能です。 視力はある1点のみの働きをあらわし、視野の正常範囲は1点を見たままで鼻側60度、上方60度、耳側100度、下方70度の範囲です。「行動」に関する視野は各方向10度以上または中心暗点(まっすぐ前を見たときに見えない部分)が10度以内であれば歩行時に危険物の回避は可能とされていますが、10度より狭くなると視力が(1.0)あったとしても使うことが困難であり、さらに5度以内になると眼を使うことは極めて困難なようです。 5度の視野とは直径5cm、長さ60cmの筒を眼にあてて見える範囲で す。 視力が良くても視野の狭い人は、読み書きはできますが歩行行動は困難です。逆に、視力が弱くても視野の保たれている人は、読み書きには不自由しますが歩行行動 には困難をきたしません。 「見にくければ眼鏡をかければいいじゃないか」とよく言われますが、矯正が効かない人も多いのです。そして、弱視者の見え方はさまざまなので、全盲よりも理解されにくいことが多くあります。 周囲の環境によっては人や物の影や色がぼんやり判るときがあっても、視野が狭いため、物にぶつかったり、段差につまづいたり、日常生活をするのに不便を感じる人もいます。 環境によってよく見えるときと全くといっていいほど見えなくなるときがある人の場合は「おまえ、都合がいいときだけ見えるんだな」と言われることも・・・・・ 「弱視」とは、一般的に何らかの眼疾患によって低視力、または視野欠損を生じ、低視力の場合は眼鏡による屈折矯正をしても、日常生活に有効な視力がでない場合をいいます。 ランドルト環による視力検査では、遠くがどれくらい見えるかしか判りません。弱視者の見え方は多様で、一人として同じ見え方の人はいないと思います。見え方をよく調べて、障害に合わせたサポートが必要になってきます。 目の構造と機能目は、よくカメラにたとえられます。 カメラのレンズに当たるのは角膜や水晶体で、水晶体の厚みの変化によりピント合わせをします。 カメラの絞りに当たるのは虹彩中央部の瞳孔で、収縮・拡大させて光量を調節します。 フィルムに当たるのは網膜です。網膜の中央部の黄斑部は明るいところでよく機能し、色を識別する色覚、ものの形を識別する形態覚(視力)に優れ、周辺部は暗いところでよく機能し、明暗を識別する光覚に優れています。 こうした光学的構造の中で網膜上に結ばれた像の情報は、視神経を通じて大脳の視覚中枢に伝達され、さらに、記憶、推理、判断などを加えて意味のあるものとして認知する高次脳機能によって処理されて視覚情報として得られます。 視覚障害は、この光学系の情報伝達の経路の中に機能不全があったときに生じます。 ただし、高次脳機能による情報処理に問題がある場合は、認知障害として視覚障害と区別しています。 視覚の機能は、物体の形を識別する視力、眼を動かさずに見える範囲である視野、色を見分ける色覚、光の明暗を感じる光覚、網膜上で像の焦点を結ぶようにする屈折、視対象の遠近によってピント合わせをする調節、物を立体的に見るなどの両眼視、そして眼球運動などと整理されます。これらの機能の中で、視力と視野が人間の生活に最も大きな役割を果たしています。
近くが見えない年をとると、カメラのレンズの働きをしている水晶体を、十分に厚くすることができなくなるため、近くが見えにくくなります。近くがよく見えなくなり、手元の作業に支障を来す状態になると、「老眼」と診断されます。これは加齢に伴う生理的変化で、病的なものではありません。 遠くがぼやけて見える
物がゆがんで見える「黄斑変性症」の典型的な症状です。まっすぐの手すりなどが、曲がって見えたり、視界の中心の、見ようとするところが暗くなって見えにくくなります。「網膜剥離」でも、黄斑部に剥離が起こると、同じように物がゆがんで見えることがあります。 見えにくい部分がある視野障害の主なものには、狭窄と暗点があります。 狭窄は、中心部を残して周辺部が見えない同心狭窄、視野の片側が見えない半盲、不規則狭窄に別れます。 暗点は、視野の中に島のように見えない部分ができるもので、これが視野の中心部に生じたときは、視機能が著しく阻害されます。 文字を大きくしてしまうと、自分の視野に入らず、読みにくくなってしまいます。また、ものを見て探すのも困難になってしまいます。 文字をちょうどよい大きさに拡大縮小したり、コントラストの高い物を提示したりして補助します。 困るのは、徐々に視野狭窄が進行する場合、本人は欠損があるという自覚がないため、視野に入らないものにぶつかってしまって怪我をしたり、突然視野に入ってきた物や人に驚いたりすることがあることです。 以下は視野障害の例です。実際はこんなにきれいに見える部分と見えない部分が分かれるわけではありません。
点がちらつく視界の中に蚊が飛んでいるようにも見えるので
「 程度にもよりますが、放置してかまわないケースと治療が必要なケースがあります。 甲状腺機能亢進症がない方なら、少量の海草類を毎日食べることで完全に治ってしまうこともあるようです。 眼性疲労などは鍼灸で症状が改善することが多いため、ひらせ鍼灸院にも目の異常を訴えて来院される方がたくさんいらっしゃいます。しかし、私自身目が不自由なため、目の症状はとくに気になります。中には、失明の危険性がある眼疾患の前兆もありますので、できるだけ早く複数の眼科医に診てもらうようお勧めしています。 光が走って見えるこのような症状を「光視症」といい、考えられる原因は、「角膜の異常、網膜と硝子体の癒着、脳の異常」などです。角膜の浮腫が原因の場合は、電灯などの周囲に虹のような輪ができるのが特徴です。また、脳の異常による場合は、稲妻のような輝きが現れ、それが周囲の方へ移動して、スーっと暗くなるという特徴があります。 物が二重に見える「白内障」の場合は、明るいところよりも、暗い場所で、この症状がはっきりと現れます。また、「片眼複眼」といって、片方の目だけで見たときに気がつきます。脳卒中や脳腫瘍などが原因で起こる「眼筋麻痺」は、一方の目だけに病気が起こります。そのため、左右の目で違うところを見てしまうために、物が二重に見えます。
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